2015
12.11

選考プロセスの6つの要素

採用戦略, 曽和利光

内定辞退率とは

前回までに、選考プロセスの構成要素は
①内定率(内定者/受験者)
②内定辞退率(内定辞退者/内定者)
③途中辞退率(途中辞退者総数/受験者)
④書類通過率(書類選考通過者/提出者)
⑤筆記通過率(筆記試験通過者/受検者)
⑥面接通過率(面接通過者/受検者)
以上、6つに分類することができると述べてきました。

前回までは①内定率に関する話を述べたので、②内定辞退率の話から進めていきたいと思います。

内定辞退率はある程度コントロールすることが可能な数値です。なぜなら、「いい人ならば内定を出す」とすれば当然内定率は上がるからです。この一方で、「第一志望でなければ内定を出さない」とすれば内定率は下がります。つまり内定辞退率は数字ではなく、内定を出す方法によって変化します。

ただ内定出しを簡単にすることは、心理学的にあまり良くありません。なぜなら人間は軽く得たものに対して価値を見出すことができないからです。したがって優秀な人材を採用しようと考えた時は、ある程度の駆け引きが求められます。

途中辞退率とは

③途中辞退率には、最も改善の余地があると言われています。しかし、この数値を出していない企業がほとんどです。1次面接合格者に対する2次面接の辞退率が何%、2次面接合格者に対する3次面接の辞退率が何%といった、それぞれのプロセスにおける数値は出しています。しかし、全ての途中辞退率が何%か求める会社が少ないです。

全体を通じた途中辞退率が10%に留まる企業はほとんどありませんが、途中辞退率は約30%の企業が多いです。

では、途中辞退率を下げる為にはどうすれば良いでしょうか。まず企業が注目する点は内定辞退の数値です。この数値が占める割合は辞退者の中で最も大きくなっています。そのため改善することができれば、辞退率を低くする上で大きな効果を発揮します。しかし、内定辞退は運やタイミングの要素が強いので明確に対処することができません。

その一方で、途中辞退率は選考スピードを速くすることで対処できます。なぜなら選考スピードを速くすることで、候補者に辞退する暇を与えないためです。

例えば、途中辞退率が10%に留まるR社は1万人の受験者を10日間で初期面接します。10日間で1万人の面接をするので、1日当たり1000人と面接する必要があります。1日当たりの面接時間が5枠あったと仮定すると、1枠で200人。1枠で200人ということは、1対4の面接を50部屋で並行して進める必要があります。非常に大変な作業ですが、採用はスピードが命です。特に分不相応の採用をする際、優秀な辞退者層を減少させる為にスピードは必須条件です。

初期選考は遅くとも2週間以内で終わらせる必要があるでしょう。そして内定を出すまでの期間が約1カ月であれば、比較的速い選考スピードと言えます。1カ月半では普通、2カ月では遅いといったイメージです。この選考期間をできるだけ縮めることが重要です。

書類通過率と筆記試験

④書類(ES)通過率
エントリーシートに関しては、特別な必要性がない限り重点を置くべきではありません。なぜなら、上位校や優秀層の辞退率が増加するからです。加えて、誰が書いたかわからない文章に対して点数をつけることは困難です。

⑤筆記試験
筆記試験は操作しやすい数値です。そのため、企業によって通過率は10%~50%以上と様々です。また、信頼性のおけるテストであれば正当な結果になります。

多くの会社は能力試験で候補者を落とします。しかし、合否判断は能力だけでなく性格を含めた2軸で判断するのが適切です。したがって、イメージとしては能力が高いか性格があっているか、どちらかが合格ラインを超えていれば通過と捉えましょう。

では、合格ラインはどのように設定すれば良いでしょうか。まず能力と性格の2軸を作って内定者をプロットして下さい。そして、内定者が落ちる数値で合格ラインを設定して下さい。なぜなら、内定者が落ちない数値で合格ラインを設定してしまうと、外れ値を含めた人も通過してしまうからです。これによって採用活動に非効率が発生し、本来採用したい人材を獲得できない可能性があります。したがって、現在の内定者が落ちる数値でも合格ラインを引く必要があるのです。

面接通過率

⑥面接通過率
人が人を判断する上で、絶対的な基準を作ることは困難です。そのため相対評価によって合否を決定しており、一般的に面接の通過率は25%~50%が適切な数値と考えられています。

採用担当者が候補者と面接する際は、相手のことを正しく理解する為に1対1で話をすることが適切です。しかし、候補者1人だけに会って、その人が10人の採用枠に入るかどうか判断を下すことは難しいです。その一方で、グループ面接で4人に会ってそのうち半分を通過させることは比較的容易にできます。したがって、スキルの低い人を面接官として起用するときは、個人面接でなくグループ面接を担当させる方が適しています。

3行まとめ

内定辞退率は、数字ではなく内定を出す方法によって変化します。
途中辞退率を下げるには、選考スピードを速くすることが重要。
現在の内定者が落ちる数値でも、合格ラインを設定する必要がある。

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