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採用活動に生かせる心理バイアスは様々


前回、無意識のバイアスとして返報性と一貫性が存在すると述べてきました。

しかし、その他にも
希少性(チャンス)
第一印象力(ひとめぼれ)
近接性(そばにいる)
統制性(コントロール)
といったバイアスが存在します。今回はこれらについて述べていきたいと思います。

希少性(チャンス)

人間は機会が限定されているものに対し魅力を感じ、手に入れたいと思います。これを採用で考えた時に、「何人しか採らない」ということは希少性が高いことを伝える上で非常に有効です。しかし「あと何名の枠です」と伝えてしまうと、スーパーの安売りのようになってしまうので、メッセージ性を低くする必要があります。

また希少性の変形として、人間は苦労して手に入れたものに魅力を感じます。したがって、簡単に内定を出すことはお勧めできません。簡単に内定を出すことで、候補者が会社の格を勝手に下げてしまいます。そのため、できるだけ面接の回数を多くし、テストの難易度を上げることで自社に内定することの希少性を出す必要があります。

第一印象力(ひとめぼれ)

初頭効果というものがあります。これは第一印象の良い相手に魅力を感じ、それが全体イメージとして形成されることを意味します。そのため、ベンチャー企業であれば最初から社長が選考に出ていくことをお勧めします。なぜなら後から出てくる人たちが、たとえ社長よりも魅力的でなかったとしても、候補者の中では社長の良い印象が残っていくからです。

もうひとつハロー効果というものがあります。これは1つのことに魅力を持つことで他の部分も良く見られることを表しています。例えば「Aさんは体育会の野球部に所属し、学生時代国体で優勝した」というように、飛び抜けた能力を持つその人の魅力を相手に説明することで、他の項目も全て良い方向に判断してもらうことができます。したがって、会社の突出した良い部分を広報することで、採用力を高めることに繋がります。

近接性(そばにいる)

単純接触効果というものがあります。これは、自分があるものに対して接触する回数が多ければ多いほど、親近感を持ってそれを好きになりやすい傾向になることを示しています。よって、採用活動において候補者とたくさん会うことは、何事にも代え難い絶対的なパワーを持ちます。しかし、その一方で採用活動において候補者にたくさん会うことは、採用のスピード感を落とすことも同時に意味します。そこでスピード感を落とすことなく、候補者と会う頻度を高めることが大切になってきます。

また、アソシエーション(関連付け)理論というものが存在します。これは一緒に過ごした時の感情とその相手に対する感情を結びつけることを表しています。そのため、候補者を社内のイベントに招き楽しい時間を過ごすことで、自社に対する帰属意識を高めることへと繋がります。

統制性(コントロール)

候補者に対して公平な立場で接することで、相手に「この人は本当に自分のことを考えてくれているな」と良い印象を与えることができると以前述べました。しかし、フラットな立場で接するメリットは他にもあります。それは、興味加減の法則が存在するからです。これは、相手への興味が小さい方が主導権を握ることを意味しています。したがって、候補者への興味はできるだけ抑えることが重要です。

他にもゲイン・ロス(増加損失)の理論というものがあります。これは悪いことが追加されていくと、最悪な印象しか残さないことを意味しています。例えば、学校でいじめ自殺などの不祥事が発覚した時に、記者会見で校長先生が「いじめがあることはわかっていませんでした」と発言したとします。しかし、その3日後に新たな事実が発覚して「ある部分は認識しておりまして」と発言を変更。そして、もう少し経った時に「実は教師が加担していました」と次々に悪い部分が後付けされて、最悪な状況を招いてしまいます。したがって、悪い部分があるのであれば、最初から包み隠さず全て話すことが重要です。

<3行まとめ>
できるだけ面接の回数を多くし、テストの難易度を上げることで自社に内定することの希少性を出す必要がある。
スピード感を落とすことなく、候補者と会う頻度を高めることが大切。
悪い部分があるのであれば、最初から包み隠さず全て話すことが重要。