2016
01.18

面接官が質問をする際に注意すべき点とは

採用戦略, 曽和利光

自己PRなどを聞く時の注意点とは

前回までに、エピソードから潜在能力を測る方法を述べてきました。
そして、その際にいくつか注意点があるので述べていきます。

まず、学生へ質問をする際は、基本的に過去のエピソード情報以外はほとんど聞く必要がありません。なぜなら、主観情報とは自分が思うことですので自己PRや自己分析、志望動機などは何とでも言うことができます。したがって、そこで判断する必要がありません。

ただ、候補者も自己PR や強み弱みを用意してきている場合がほとんどですので、それらを聞いてあげることで向こうもスッキリとした感情になります。しかし、聞く場合にはポイントがあります。それは、最初には聞かないことです。なぜなら、面接の冒頭で「あなたの強み弱みを教えて下さい」と質問してしまうと、次に「その強み弱みを表すエピソードは何ですか」と相手が用意したプレゼンに乗ってしまい、主導権を握らせてしまうからです。また、人間には拡張バイアスというものがあり、「この人はこうゆう部分が強いな」と思ったら、思ったことを証明するようなエビデンスを取るバイアスが働いてしまいます。したがって、そうしたバイアスを作らないためにも、まずはフラットな形で相手のエピソードを聞いたうえで、人物仮説を構築する必要があります。

そして、その上で強み弱み、自己PRなどを聞いて下さい。すると自分が立てた人物仮説と相手の話の中に、ギャップがあるかどうかが分かります。そこであまりにもギャップがあるようでしたら不採用です。これが1つの判断基準として非常に効果的です。

志望動機を聞く際の注意点とは

志望動機についても聞き方があります。志望動機に関しては初期面接のうちから聞かない方がよいです。なぜなら、その段階では、まだ学生の志望度がそこまで高くないからです。特に分相応採用をやっていこうと思った際は、会社側から挙げていくべきものです。したがって、聞き方のポイントとしては、「なぜ当社なのですか」と聞くよりは、もっと一般的に「会社や仕事を選ぶ基準は何ですか」と聞いた方がよいです。志望動機ではなく選社理由を聞くことがポイントです。仮に志望動機を初期選考で聞いてしまうと、大概の返答が会社の事業説明になってしまいます。例えば、「なぜA社を選んだのですか」と聞くと「A社は世の中に偏在している情報を集めてきて人生の節目において提供することでひとりひとりの個性的な、自分らしい生き方を支援する会社だからです」と答えが返ってきます。会社としてそれはわかっているので、「そのA社をなぜあなたは選んだのですか」ともう一度聞き直さなければなりません。

ほとんどのエントリーシートや初期選考で聞く志望動機の答えも事業説明です。しかし、それを聞いたところで意味がありませんので、もっと一般的な事を聞いて下さい。例えば、自己分析でいえば自分がどう思うかではなく、周囲からなんと言われているのか。そして、なぜそのように言われていると思うか。このように聞く方がその人を判断する上で有益な情報となります。

構造化面接と非構造化面接

質問する上での最後のポイントとして「構造化するか、しないか」というのがあります。上記表左側の構造化とは、面接官が主導権を握り学生が話すエピソードに対して「どういった環境でしたか」→「そこにはどんな問題がありましたか」→「どのような優先順位でその問題に取り組みましたか」→「その問題が起ったのはなぜだと思いますか」と順番に聞いていく面接です。グループ面接など時間が短い面接の場合には構造化面接で行うほうがよいとされています。なぜなら、自分で聞きたいことの棚を作っておけるので、短時間で効率的な面接をすることができるからです。ただし、構造化力が不明になります。

そして、最終面接になればなるほど応募者に主導権を握らせる非構造化面接になっていきます。これは面接官がアバウトな質問をして候補者の構造化力を確認します。例えば「大学時代どうだった」という質問に対して「え、どういうことですか」と聞き返す学生はアウトです。どんな質問を聞かれたとしても、面接の場がどういった場所かを理解して、自分自身を相手に表現することが求められます。ただし、非構造化面接は聞く方もアドリブが求められるので、面接官にも相応のスキルが求められます。

3行まとめ

学生へ質問をする時には、過去のエピソード情報以外ほとんど聞く必要がない。
志望動機は初期面接のうちから聞かない方がよい。
初期面接では構造化面接、そして最終面接に近づくにつれて非構造化面接にする。

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