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キャリア形成に必要な考え方① キャリアアンカーとは

古典的なキャリアパターンの1つに、エドガー・シャイン(アメリカの心理学者)が発案したキャリアアンカーがあります。キャリアアンカーとは個人のキャリアのあり方を導き、方向づける為の「錨」です。長期的な職業人生の中で「拠り所となるもの」を意味します。そして、このキャリアアンカーは3つの要素によって構成されています。1つ目は、自分が何が得意かという「能力・才能」。2つ目は、自分は何がしたいのかという「動悸・欲求」。3つ目は、自分は何をすれば役に立っていると感じるかという「意味・価値」。以上の3つの要素で成り立っています。

この要素をさらに細かく区分した2つ目のキャリアアンカーが存在します。

シャインが1000人の優秀なビジネスマンを対象にキャリアに関するインタビューを行いました。
その結果、その人達にとって大事にしているものを集約していくと、
①専門能力志向
②経営管理志向
③自律志向
④安定志向
⑤起業家志向
⑥社会貢献志向
⑦チャレンジ志向
⑧調和志向
の計8つの要素になりました。

これが、細分化された2つ目のキャリアアンカーです。このように、自分の専門性や技術が高まることキャリアの中で大事と考える専門能力志向の人もいれば、組織の中で責任ある役職を担うことが大切と捉える経営管理志向の人もいます。その他にも独立志向が高い人もいれば、ワークライフバランスが重要な人がいるなど、8つのキャリア志向があります。これが、キャリアアンカーの2つ目の理論です。

キャリア形成に必要な考え方② 4つのキャリアタイプ

M.J.ドライバー(南カルフォルニア大学教授)が提唱するキャリアコンセプトは、二つの軸で2軸4象限になっています。まず、上下の軸はキャリアの方向性が一方行に進むのか、それとも多方向に進むのか、ということを表します。そして、左右の軸は時間軸となっており、短期間なのか、長期間なのか、ということを示します。そして、それらを総合する「リニア」「ステディ・ステイト」「トランジトリー」「スパイラル」の4つの分野に分けられます。

1つの分野に短期間で取り組むリニアは、組織のトップに早く上り詰めて影響力を高めたい人のキャリアのパターンを表します。その反面、一方向に長期スパンでキャリアを進めていくステディ・ステイトは、芸術家やスポーツ選手などの、ひとつの職業で専門性を磨き尊厳を得るキャリアコンセプトを示しています。

近年増加傾向にあるトランジトリーは短い期間で様々な仕事を渡り歩く、ジョブパーキングな人を指しています。それに対してスパイラルは10年程度で新しい仕事に挑戦し、自分の潜在能力を最大限に伸ばす人を表しています。ただ、このタイプはトランジトリーとは違い、螺旋状に渦を巻くように、後から振り返った時に全く共通点がないわけではなく、何かしらの共通点を多少持ちつつ、様々なことに挑戦をしていくタイプです。例えば、サラリーマンを10年経験した後に起業する人などが、当てはまります。

キャリア形成の基礎、古典キャリア理論の限界

キャリアにはパターンがあります。その中で、早くから自分の志向を認識し、その方向に走り始めることによって、目標達成を目指すものがあります。これは古典的キャリア理論と呼ばれています。

現代ではこの古典的キャリア理論に限界があります。その理由は、現代が技術革新、グローバル競争などにより環境の変化が激しく、個人のキャリアも影響を受けざるを得ない状況だからです。そのため、自分のキャリアに対し固定観念を持ちすぎるのは危険です。なぜなら環境が激しく変化している中で早くからゴール決めて、そこに対して一直線に進んだとしても、ゴールした時にはそのキャリアは陳腐化している。といったことが考えられるからです。

現代のキャリア形成にあった新しいキャリア理論

その反省から生まれてきたのが、新しいキャリア理論です。これは古典的なキャリア理論がキャリアデザインを重視するのに対して、新しいキャリア理論というのは、キャリアドリフトを重視します。すなわち、流れに乗ることを重視する理屈です。

その典型的なのものが、クランボルツ(スタンフォード大学心理教授)が提唱した、「計画された偶然性(Planned Happenstance)理論」。この理論によるとキャリアの80パーセントは偶然に支配されていると言われています。シリコンバレーで活躍している人を調査したところ、キャリアをデザインしている人がほとんどいませんでした。すなわち、成功している人は、その都度チャンスに対してオープンマインドの考えを持っています。その一方で古典的なキャリア理論とされる、「計画した通りのキャリア」を形成している人はいませんでした。

偶然をチャンスに変える5つのスキル

偶然をキャリアのチャンスとするためのスキルが5つあります。

1つ目は好奇心、そして2つ目は持続性です。これは、古典的理論のように10年も20年も1つの道を極め続ける持続性ではありません。とにかくやって、結果が分かるまでやってみようという持続性です。

3つ目は柔軟性です。好奇心を持ってなんでも挑戦するが、一度取り組んで違うと思ったら柔軟にすぐ辞めることを指しています。この柔軟性、2つ目の持続性と矛盾するかと思われますが、追求した結果に違和感を感じたら、固執することなく別の方法を探してみることを示しています。

4つ目は楽観性です。もし駄目なことが続いたとしても楽観的であることを示しています。

そして、5つ目の冒険心です。4つ目の延長線上になりますが、楽観性があるからこそどんどん次のチャレンジができるということです。

現代のビジネスで結果を残す人とは

好奇心を持ってとりあえずやってみて、駄目だったらやめて、でも挫けずにまた次、挑戦する。こういう人が現代のキャリア形成において、結果を出す人に共通する要素と言えます。

昔は、好奇心を持って心変わりする人はマイナス評価されていましたが、最近ではむしろプラス材料です。しかし、それだけでも駄目です。この好奇心・持続性・柔軟性・楽観性・冒険心の5つのスキルバランスが重要です。

<3行まとめ>
現代では古典キャリア理論に限界がある。
意思決定をしないオープンマインドを持つ。
偶然をチャンスに変える5つのスキルのバランスが重要。