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採用担当者が候補者について収集すべき情報とは

採用担当者が聞くべきこと

分不相応な採用をするためには、フォローが重要であり、さらにそのフォローの順番が大事だということを以前の記事で述べました。


ここでは、自己開示によって関係性が構築された後の段階。フォローにおける情報収集についてもう少し掘り下げて述べていきたいと思います。さらに、情報収集のときに忘れてはならない、コンプライアンスについても後半で述べていきます。

何を聞けばいいのか

具体的に何を聞けばいいのかというと、モチベーションリソース、キャリア観、自社に対するフックとネック、意思決定スタイル、そして影響された人物です。

モチベーションリソースの4つの型

モチベーションリソースとは、そのまま「あなたはどんな時にモチベーションが上がりますか?」「あなたにとってのエネルギー源は何ですか?」「どういう時に楽しいの?」などと聞けばよく、とても聞きやすい質問です。

また、モチベーションリソースには大きく4つに分けられます。それが組織型、仕事型、職場型、生活型です。

それぞれを簡単に述べていくと、一つ目の組織型とは帰属している組織の社会的ステータスが働く動機となっている型です。「自分は◯◯会社に勤めているから」というステータスがモチベーションリソースとなるとともに、「◯◯会社の幹部になった」といった社内的地位に伴う仕事報酬にもこだわりを持つタイプです。

二番目の仕事型ですが、仕事自体が面白い、仕事から学ぶことで知的好奇心が満たされる、といったものでモチベートされる型です。この型の人には、面白い企画書を見せてあげたり、インターンで実際に仕事を体験させたり、といったことが大事です。

三番目の職場型は、日本人の6割程度が当てはまると言われている型です。象徴的な言葉で表現すれば、何をやるかより誰とやるか、といったことに共感する型です。このタイプの人は自分がやりたいというより、誰かの為になりたいという意識がより強くなっています。そして、職場型の人とは会う機会を増やすことが大事です。何回も会っていると親近感が湧く、という単純性効果というシンプルかつ非常に強い心理バイアスがかかりやすいのです。

最後は生活型。これは仕事や職場、会社そのものではなく、それらによって自分の生活がどれくらい良くなるか、というところに関心が強い型です。ワークライフバランスを重視するため、労働時間や福利厚生のアピールがこのタイプの人には響きます。

キャリア・アンカー

モチベーションリソースが日々の短期的エネルギーであるのに対して、キャリアアンカーは長期的エネルギーとなります。例えばあるビジネスマンが、仕事で立ち止まった時に、自分の人生、キャリアとは何か考える時のモチベーションとなります。

エドガー・シャイン(アメリカの心理学者)が提唱したキャリア・アンカーとは「船の錨」のことです。彼が優秀なビジネスマン1000人にキャリアに関する話を聞きました。その結果を集約すると、船の錨のように決して動かない軸が8つに分類されました。それが、①専門志向②経営管理志向③自律志向④安定志向⑤起業家志向⑥社会貢献志向⑦チャレンジ志向⑧調和志向です。

意思決定スタイル

意思決定スタイルには様々な使い方が存在します。上記の表は2軸4象限になっています。上下の軸は情報量を表し、左右の軸は選択肢の数を示しています。まず左下の決断型(DECISIVE)は少ない情報量で次々に決断をするベンチャー経営者が当てはまります。右上の論理型(HIERARCHIC)は情報を多く集めて熟考した結果、最後に一つの決断を下す、企画や経営参謀の人が当てはまります。右下の柔軟型(FLEXIBLE)は少ない情報から多くのアイディアを出す、Webディレクターやアートディレクターが該当します。右上の統合型(INTEGRATIVE)は多くの情報と選択肢から熟考する学者や研究職者を示しています。

この意思決定スタイルは適職診断の土台となりますが、人材を採用する時の口説き方にも関係します。例えば、決断型の人に対しては、タイミングを逃さない押しの一手。論理型の人には、取捨選択された情報と矛盾のないストーリー。柔軟型の人には噂やデマを払拭する安心感。統合型の人には、継続的な情報提供しながら待つこと。など、人材によって内定出しの方法を変えることがポイントです。

採用担当者が候補者に話を聞くときの注意点

情報収集の注意点、1つ目は「ヒアリングの際は議論や意見はしないこと」です。たとえ議論に勝ったとしても相手の意見は変わりません。話の腰を折らずに相手の話を最後まで聞いて、スッキリさせてあげることが重要です。

2つ目は「言葉に過剰反応せずに、発言している背景を考えること」です。これは、たとえ採用担当が優秀だと考える人材だとしても、入社の意思決定を確認する際に落ち着かない素振りや発言をすることがあります。この時に、相手に「何を言っているかわからない」と詰め寄るのではなく、「何か不安なことがあるのでは」と歩み寄って下さい。その行動・発言の背景には何かネックがあるのでは、と考ことが大切です。

3つ目は「最後の口説きで使える言質を取ること」です。つまり、相手の発言を言い変えるのではなく、相手が発言した言葉を記憶してください。人間とは自分の発言に対して責任を取る、行動の一貫性を担保としたい生き物です。最後の口説きを行う際に、自分が発言した言葉とはもっとも心に響きます。

<3行まとめ>
モチベーションリソースは組織型、仕事型、職場型、生活型の4つに分類できます。
意思決定スタイルに基づいた口説きが効果的です。
情報収集する時は3つの注意点を意識する。