スポンサーリンク



採用ステップを構成する4つの要素

採用担当者にとって、「優秀な人材を逃さないための採用プロセスには重要な6つの数値がある」と前回までに述べてきました。

採用プロセスの次の段階としては、採用ステップを考慮します。
採用ステップは
①ステップ全体の期間
②選考回数
③「さみだれ式」か「前段階完了待ち式」
④飛び級「あり」か「なし」か
という、4つの要素で考える必要があります。

①ステップ全体の期間は短い方が良いです。なぜなら、選考期間が長いと途中辞退率が増加してしまうからです。

②選考回数は、①と矛盾するように感じるかもしれませんが、多いほうが良いとされています。その理由は、候補者との接触回数が上がり選考の精度が上昇するからです。そのため、選考スピードを維持しながら選考回数を多くすることが大切と言えます。

③さみだれ式が早く来た候補者から合否を決定する採用方法であるのに対して、前段階完了待ち式は候補者全員を面接した上で合否を決定します。採用強者以外のほとんどの企業がさみだれ式を取り入れています。なぜなら、何度も申し上げますが採用はスピードが命だからです。

④飛び級とは、例えば1次面接で高い評価の人の場合は2次面接を飛ばして部長面接へ通過させる、といったことです。飛び級を取り入れることで優秀層に対してはスピード採用をすることができます。また一般層に対しては慎重な採用もできるので、2段構えの採用ルートが構築可能なのです。

採用ステップにおける段階別プロセスの役割とは

段階別プロセスは初期選考、中期選考、最終選考の3つに分類することができます。では、3つの選考それぞれにどのような役割を与えるべきでしょうか。

まず初期選考では候補者が多く玉石混合です。そのため、多くの候補者と接触するためにグループ面接をする企業が多いです。この時の合否の判断基準としては、能力面を重視することが重要です。なぜなら、面接慣れしていない採用担当者がグループ面接で性格面を重視すると、候補者を落としすぎてしまうからです。MUST条件を多くしてしまうと、該当者が減少してしまいます。そのため、初期選考では、判断基準を能力面だけに絞る必要があります。

次の中期選考では人事担当者が性格面タイプ分けを行います。現場マネージャーのように目が慣れた担当者であれば、パーソナリティを審査することができます。

最後の最終選考では、タイプ分けされた性格の「程度の差」を判断します。タイプ分けをすることは、比較的簡単な作業です。例えば、候補者が肉食系か草食系か区別することは容易です。しかし、どの程度肉食なのか判断することは困難です。この「程度の差」を審査するのが最終選考です。したがって、最終選考官は程度相場感がある人でなければ務まりません。

ポテンシャル採用のメリット

初期選考・中期選考・最終選考の各プロセスにおいて、候補者の潜在能力を判断するためのヒアリングを行うことが大切です。なぜなら、顕在的な能力で判断する即戦力採用はほとんどの企業が取り組んでいるので、競争が激しいです。もちろん、このような採用方法も重要ではあります。しかし継続的に強い採用力を持つと考えた時、競争の少ない領域、広い領域で人材を探せる必要があります。

ただ、候補者の潜在野力を判断することは困難です。その理由は2つあります。1つ目の理由は、候補者自身は自分の潜在能力でなく顕在的な成果や実績について語ることがほとんどだからです。2つ目の理由は、潜在能力は文字通り潜在的なため、「地頭」や「コミュニケーション能力」などの抽象的な言葉によって候補者を評価することになるからです。「求める人物像」の章で、抽象的な表現に関する説明をしたので今回は顕在的な実績を語る人に対して、どのようにヒアリングをするべきか考えていきます。

潜在能力の正体とは

そもそも、潜在能力の正体とは何でしょうか。それは、「習慣」と考えることができます。結局、面接で聞くエピソードは全て過去の話です。しかし、極論として過去にその人が何をやっていたかはあまり関係がありません。なぜなら、重要なことは候補者が自社の仕事でその成果を再現することだからです。

その再現性があるかどうかを2つの方法で考えることができます。1つ目は、既に同じような状況で成果を出している実績があることです。しかし、これは顕在化された情報です。問題は顕在化された実績がない人をどのように判断するかです。それは2つ目の習慣で判断します。すなわち、機会が与えられれば成果を出せるような良い習慣(無意識でも生じる思考・行動パターン)を持っているか、ということです。

では、習慣とはどうすれば生じるのでしょうか。それは思考や行動の「処理の自動化」によって生じます。例えば、車の運転をする際に最初はギアやクラッチをものすごく意識します。しかし、だんだんと慣れてくると処理が自動化してきて無意識で行うようになります。これが習慣化です。したがって、長期にわたって反復することで処理の自動化、すなわち習慣化されていきます。

マルコム・グラッドウェル(アメリカのジャーナリスト)が「1万時間の法則」を提唱しています。これによると、ビル・ゲイツやイチローなど、何らかの分野で一流となるために取り組んだ時間は一様に1万時間であると言われています。1万という時間自体は1つの目安に過ぎませんが、とにかく長期にわたる思考や行動の繰り返しによって習慣化がされています。

<3行まとめ>
初期選考、中期選考、最終選考3つの段階によって求められる役割が異なる。
候補者の顕在能力ではなく、潜在能力を判断することが重要。
潜在能力は習慣の観点から読み解くことが大切。