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採用担当者に必要なスキルは4つ

自分よりいい人を採る、つまり分不相応な採用をする、ということが採用の鉄則とも言えます。採用とはその対応によっては簡単に済ませることも可能です。自社ブランドで応募してきた人をジャッジして終わりです。しかし、企業の成長を支えるための人材を採用する、言い方を変えれば「採用によって自社の成長を支える」ということを考えると、前述の分不相応な採用を行う必要があるのです。

人事や採用担当とは、採用ブランドに対して応募してきた人のジャッジ、が仕事ではありません。自社の採用ブランド以上の人材を採る、分不相応な採用を実現することが重要なのです。そしてその分不相応な採用の仕方について述べていきます。

選抜、動機形成、育成、指揮

採用担当者に必要な4つのスキル
趣旨は、上の画像のように4つのパートからなっています。一つ目の選抜機能とは、一般的に人事や採用担当の一番の仕事、と考えられている機能です。ここで重要なのはジャッジに加えて、アセスメント機能も含んでいるということです。アセスメントをするということは、この人は一体どんな人なのかということを見極めて表現すること、です。特に経験の長い人事担当などでは、どこまでが自社の特殊性なのかが分からなくなりがちです。自社にとっての良い悪いと、マーケットにおけるその人の性格や能力レベルがどのくらいなのかということは別問題である、ということを見失ってくるのです。

二つ目は、分不相応な採用において重要な機能の一つである、動機形成機能です。PRとはパブリック・リレーション。つまり、~ナビといった採用サイトへ登録したり、採用のホームページやパンフレットを作ったり、といった採用広報のことです。フォローとここで言っているのは、個人への「口説き」です。ポテンシャルも含めて”いい人”というのは、マーケットにおいても間違いなく”いい人”です。そして、いい人を採るには口説きが必要であり、場合によっては営業経験者が上手くこなすこともある機能です。

三つ目は、特に新卒採用や若手の場合に行うものです。ジャッジだけしていたらまだ開花していない人たちを、バサバサ切ることになります。採用ブランドの上位0.1%に入るような企業であれば、そういった贅沢な採用も許されるかもしれません。しかし、ほとんどのケースは、その人のポテンシャルを見つけ採用期間中に育てる、という気持ちがないと最終的にいい人を採ることは難しいものです。入社後に育成を始める企業が多いですが、それでは遅いと考えています。内定者でもやや遅いです。そうではなく、採用の面接や内定前のコミュニケーションが重要なのです。むしろ内定を出した後からは、候補者と企業の関係性が逆転するように見えることもあるのです。

4機能の最後が、指揮機能です。選考プロセスの設計ができていない企業が多い中で、まず採用というのはビッグプロジェクトであるという認識が必要です。新卒採用では、大企業中小企業かかわらず、内定率はおよそ1%です。つまり10人新卒採用をしたいと思ったら、適切な数で言えば1,000人と会うということが普通です。1,000人の面接をスピーディーに行う、ということはビッグプロジェクトです。スピーディーさが無いと、優秀な人はポロポロと辞退していくのです。これは筆記試験の結果にも表れており、点数は高い順に辞退者、合格者、不合格者となります。採用というビッグプロジェクトをスピーディーに、プロジェクトマネジメントする、ということが採用の仕事の成果の半分を占めているのです。

採用担当者に必要なのはスキルだけでなく「資質」

資質と言っても二つの意味が考えられます。それは知識やスキル、そしてもう一つは態度や資質といったものです。

人間というのは大昔から基本的には変わっていません。どれだけテクノロジーが進んでも、人の心を動かす原理原則は不変です。それはグーグルの人事マネジメントや、その他の先進的と言われる企業のマネジメントを見ていても、昔のリクルート社や日系企業が行っていたものと大差はありません。

それは当たり前のことで、人間は顕著な進化を見せているわけではないですし、感情についてはほとんど変わっていないのです。つまり採用担当者がまず持つべきものは、特定状況下でのみ成り立つ理論に依拠した人事ではなく、普遍性の高い理論に基づいた人事なのです。

人事の世界では”持論”だらけなのが現状です。持論と理論とは大きく異なるもので、持論とは自分の経験に基づく「こうなったら大体こうなるであろう」というルールです。一方、理論とは経験ではなくもっと一般的な、事象全体から導かれる普遍的なものです。例えば履歴書を見て「空白期間があるやつはダメだ」といった持論。過去に数人そういう人が居たから、経歴にブランクがある人は採らない、といったようなことはよくあります。そういう傾向がある場合もあります。しかし、採用は基本的にMUST条件を多くすればするほど、いい人は採れなくなります。

普遍性が高くない持論をもとに人材マネジメントを行うべきではない。このことが頭で理解できても、人事担当者という立場の弱さから、現場責任者の「こういうやつを採れ、こういう条件でやれ」という持論に負けてしまうケースが多いのです。しかし、言われたことを「こういう条件で」とそのままエージェントに伝えることは、実は恐ろしいことです。その要因の一つが人材エージェントの質の差が大きい、ということがあります。

エージェントによっては、デジタルにジャッジし、パーソナリティなどを見ずに、条件にマッチしていれば流すといったことも行われています。また、他が良くても、少しでも条件に合っていない場合は「まあダメだろう」と勝手にバツ出しをされてしまうこともあります。人材エージェントに「こういう条件で」と投げることは、表面上は何も起こっていないように見えますが、勝手に色んなところでバツ出しされ、いい人を逃している可能性があるのです。

<3行まとめ>
採用担当には、選抜、動機形成、育成、指揮の機能が必要。
持論ではなく理論に基づいた人事を。
多くの条件を設定すると、いい人を逃す可能性が高くなる。