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内定取り消しが有効な例とは

人事担当者にとって、雇用者との契約関係に関する制度を正しく理解することが大切です。この雇用契約には正規雇用と有期雇用が存在しています。まずは正規雇用について述べていきたいと思います。

正規雇用とは、内定を出すことで労働契約が結ばれることを意味します。そして、この労働契約の中には始期付・解約権留保付労働契約というものが存在しているのです。これは内定者の条件が整わなかった場合、契約を破棄する可能性があること示しています。しかし採用内定の取り消しは、法的には労働契約の解雇に該当する、客観的合理性と社会的相当性が双方ともなければ、契約を破棄することはできないのです。

内定取り消しが有効な例として、以下のものが存在します。
①成績不良による卒業延期
②健康状態の著しい悪化
③重要な経歴の詐称など、重大な虚偽申告の判明
④社会的に重大な事件による逮捕処分

①候補者が留年した場合、当然ながら内定の取り消しができます。また留年に限らず、「入社が半年遅れます」といった場合にも、自社から契約を破棄することができます。

②うつ病などによって、候補者が出社できないほど健康状態が悪化した場合は内定を取り消すことが可能です。しかし、例えば事務作業する人が足が悪くなってしまい、車椅子生活になったからといって取り消すことはできません。

③学校学部などの経歴詐称をしていたことが判明した際には、内定を取り消すことができます。

④飲酒運転、痴漢、窃盗などの重大な事件を起こした場合、内定取り消しに合理性・相当性が認められる可能性が高くなります。

内定取り消しと合わせて知りたい 解雇とは

解雇とは経営者側の一方的な労働契約の解約であり、労働者の承諾は必要ありません。
この解雇は
(1)懲戒解雇
(2)整理解雇
(3)普通解雇
以上、3つに分類することができます。

(1)は企業秩序違反に対する制裁の側面を持つ解雇です。これには、経歴詐称・無断欠勤・犯罪行為・就業規則などの懲戒事由に該当するものが当てはまります。

(2)はいわゆるリストラです。これは、経営者側の従業員に対する問題ではなく、経営上の必要性に基づく解雇です。経営悪化に伴う余剰人員の削減などが該当します。

(3)は様々な理由で労働契約を履行していない場合の解雇です。懲戒解雇まではいかないが、本人の理由で求めていた仕事ができなくなった場合の解雇を表しています。例えば、従業員の能力が低い場合は普通解雇になります。

解雇に関する基本姿勢とは

日本は解雇制限が強い国です。そのため厳格な要件をクリアしていなければ解雇の効力が認められていません。その理由は労働者の就労、生活の糧を失わせないためです。そのため労働契約法16条に、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は無効になると明確に規定されています。

したがって、経営者は労働者に解雇事由があると考えても、解雇以外の方法により解決できるかを検討しなければなりません。また、実際に解雇を行うに際し労働者の意見を聴く機会を設けるなど、慎重な手続きの下で行う必要があります。ここで解雇以外の方法とは自主退職の勧告・職位の降格などを示しています。

この時注意しなければならないのが、職位の低い人を解雇する場合です。なぜなら一般社員や事務の人、40代独身女性などを解雇すると、その人たちの生活の糧を失わせてしまうので、結果として裁判を起こされる可能性があるからです。

<3行まとめ>
内定取り消しが有効な例として、卒業延期・健康状態の悪化・経歴詐称・犯罪などがある。
解雇は、懲戒解雇・整理解雇・普通解雇の3つに分類できる。
日本では、厳格な要件をクリアしていなければ解雇の効力が認めらない。